筑波大学におけるオリンピック・パラリンピック競技大会
-その歴史と教育、そしてアスリートたち-

The Achievements on the Olympic and Paralympic Games of the University of Tsukuba
: Its History, Education, and Athletes

ニュース

2018.10.21

「なないろサッカーフェス2018」を開催

2018年10月20日(土)10時~16時に筑波大学セキショウフィールドでなないろサッカーフェス2018を開催しました。当日は約100名が来場しました。東日本リーグ関係者、運営スタッフやボランティアを含めると、300名以上の人がイベントに参加しました。サッカーフェスでは、インクルーシブサッカーを楽しむ交流コーナー、いろんな「見え方」を体験するコーナー、ブラインドサッカー&ロービジョンフットサルの観戦コーナーが設けられました。

 

大会の意義

様々な人とコミュニケーションをとれるスキルやダイバーシティーを受け入れる感覚、個を活かす強力なユニットで動ける力を備えたグローバルな感覚をもったインクルーシブ社会の担い手を創出することをビジョンに、それを達成するため、サッカーを通して、障害の有無や性別、人種、宗教などを超えて関わり合い、オリンピック・パラリンピックを代表とするスポーツの7つの価値(卓越、友情、尊重、勇気、決断、鼓舞、平等)を共有し体現できる大会にしたいと考え企画、実施しました。

 

▲全体の様子
▲全体の様子

 

▲本学体育系教授 真田久実行委員長からの挨拶
▲本学体育系准教授 澤江幸則統括ディレクターからの挨拶

 

▲多くの方が来場しました!
▲受付では、自分が所属するチームを確認します。

 

 

なないろサッカーフェス18 実行委員会 委員長 真田 久 体育系教授からのコメント

今年のイベントの多くは、筑波大学学生を中心としたなないろサッカーフェス18 大会実行委員会学生グループの働きによるものです。彼ら/彼女らのアイデアと献身的な取り組みに感謝します。そして、そのグループをスーパーバイスしていただきました筑波技術大学福永克己先生と松井康先生に感謝いたします。
学生グループを含めたなないろサッカーフェス18 大会実行委員会の委員のみなさまにおかれましては、さまざまな面でご協力いただきました。さらにこの大会は、なないろスポーツフェスタ実行委員会のサッカー部門に位置付けて運営していただいたことから、資金面や運営面のノウハウにおいて、ご理解とともに多くの支援をいただきました。この場を借りて感謝の意を表します。ありがとうございました。

 

プログラム紹介

インクルーシブサッカーを楽しむ交流コーナー

インクルーシブとは「包括した」「すべてを含んだ」を意味する言葉で、インクルーシブサッカーとはみんなで一緒にサッカーをしよう!ということです。運動の得意・不得意、障害のあり・なし、国籍の違い…そんな全ての壁を取り払って「みんな」でサッカーをします。
視覚障害や知的障害、聴覚障害のある人や、外国籍の人、筑波大学蹴球部の人、サッカーするのははじめての人、運動が苦手だけど参加した人で、小学生から50代までの男女、約80人の参加者がランダムに8チームにわけられました。2グループに分けたグループトーナメント、順位決定戦まで1日かけて行いました。
試合開始前には、このプログラムのウリである「チームビルディング」を1時間行いました。そこでは、チーム名決めから始まり、様々なコミュニケーションを必要とするゲームを通して、チーム内で、メンバー間の違いを理解しながら互いのやりとりの仕方を学ぶ時間といたしました。実際、この時間とともに、試合を重ねるなか、互いに距離が縮まり、障害や言語、性別、年齢、技能レベルの垣根を超え、互いを「尊敬」し、「友好」によるフェアプレーが見られ、参加者全員の笑顔とともに、スポーツは特定の人だけのものでないこと(平等)を実感しました。チームが打ち解けたところで、「インクルーシブサッカー」をプレーしました。「インクルーシブサッカー」は、大きなボール(あたっても痛くなく、あまり遠くに飛ばすに、操作性が難しく、大きくて見やすいという理由で採用しています。)を使ってプレーするサッカーです。チームのうち3人がボールに触らないとシュートしてはいけなかったり、キーパーは手を使ってはいけなかったりといった特別なルールでサッカーを楽しみました。

 

▲日本語・英語による説明を聞きます。
▲チームができました!作戦会議中のようです。

 

▲チームビルディングの様子。みんなで力をあわせてミニゲームに取り組みます。
▲パスを繋いでゴールを目指します!

 

▲インクルーシブサッカー!大きなボールをシュート!
▲白熱した試合が繰り広げられました。

 

▲優勝チームには記念品が贈呈されました。
▲優勝、おめでとうございます!

 

 

ハーフタイムショー!

昼食後のハーフタイムでは、ブラインドサッカー/ロービジョンフットサルの選手と、子どもたちとの交流コーナーがありました。子どもたちは東日本リーグのロービジョンの選手とペアを組んで、パスをつないでシュートしました。みんな、ロービジョンの選手からパスをもらうために、一生懸命声を出して自分の位置をしっかりと伝えていました!

 

▲ハーフタイムショーのルールが説明されます。
▲選手と子どもが力をあわせてゴールを目指します。

 

 

視覚障害のある生活体験コーナー

3つの体験コーナーが設置されました。

1.目の不自由な人の生活体験コーナー

アイマスクや弱視ゴーグルをつけて、目の不自由な人たちが普段どんな生活をしているのか、体験しました。普段とは違った見え方のなかで、着替えをしたり、財布の中から指定された金額を取り出したりします。また、ちょっとした段差から大きな障害物、狭い道などをガイドの人と一緒に進むブースもありました。ガイドの人は具体的に説明するなど、伝え方を工夫する必要がありました。

 

▲弱視ゴーグルを体験しました!
▲障害物の体験コーナーの様子。

 

▲狭い道をガイドと一緒に歩きます。
▲指定された金額分のお金を、財布から選んでいます。

 

 

2.ブラインドサッカーやロービジョンフットサル体験コーナー

アイマスクや弱視ゴーグルをつけて、シュートにチャレンジしました。ボールから鳴る鈴の音を聞き分け、足の感覚も頼りにして、ボールの位置をイメージします。ゴールの後ろから聞こえてくるガイドの声に向かって思いっきりシュート!

 

▲アイマスクを付けてシュート!
▲ボールの速さを計測するコーナーもありました。

 

 

3.選手の見え方バーチャル体験コーナー

ブラインドサッカー・ロービジョンフットサルの選手たちの見え方や試合の注目ポイントを、映像を通じて疑似体験できます。

 

▲バーチャル体験コーナーの様子
▲弱視の選手たちの見え方やインタビューを映像で見られるので、理解が深まります。

 

 

観戦コーナー

観戦コーナーでは、今年もブラインドサッカー東日本リーグを招致し、東日本リーグ2018 第4節が開催されました。東日本リーグは、国内の地域リーグ最大の参加数を誇り、ブラインドサッカーの上位3チームには2019年に開催予定のクラブチャンピオンシップへの出場権が付与される予定です。

 

▲ブラインドサッカーの試合の様子。見えているかのようなプレーの連続です!
▲ブラインドサッカーの試合の様子。敵をうまく交わして、ゴールを目指します。
▲ロービジョンフットサルの試合の様子。熱い攻防が繰り広げられました。

 

 

ブラインドサッカーって??音だけの世界!!

選手たちはアイマスクをつけてプレーします。また、転がると音のなる特殊なボールを使用します。そのため、選手たちはボールの音や仲間の声、触れた間隔を頼りに頭の中でイメージを作ってプレーします。

ロービジョンフットサルって??え、本当に見えていないの!?

普通のフットサルと同じように見えますが、実は選手たちの見え方は様々です!ルールはフットサルとほぼ同じですが、選手は、例えば下の写真のような見え方でプレーしています。この状況の中、パスを繋げたり、シュートを決めたりするのは大変ですが、成功したときには普通のフットサルでは味わえない喜びがあります。

 

当日の対戦カードと試合結果

11:00~  Vivanzareつくば 1-1(前半0-1) GLAUBEN FREUND TOKYO
12:30~  FC SFIDA つくば 2-2(前半1-1) CA SOLUA葛飾 ※弱視クラス
14:30~  Avanzareつくば 1-1(前半0-1) free bird mejirodai

 

 

大会概要

■主催 筑波大学(主幹:なないろサッカーフェス18 大会実行委員会)
■後援 茨城県 つくば市
■協力 NPO 法人日本ブラインドサッカー協会 筑波技術大学
茨城県障がい者スポーツ研究会 つくばFC
■協賛 関彰商事株式会社、スマイルこどもクリニック、株式会社バンガードエンタープライズ、SOLUM 株式会社、株式会社高大、BiVi つくば、株式会社クロノファクトリー

 

 

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